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ストーリー「ふたご座の姉妹」その3

ストーリー「ふたご座の姉妹」その3

かくいうカストール自身も、アテネに着いてからは心も体もウズウズしっぱなしである。
故郷のスパルタが嫌いなわけではない。だが、彼女だって年頃の女の子。たまには綺麗な服を買ったり甘い食べ物を食べたりしてみたいのだ。
「ふふ、旅に出て本当に良かった〜」
カストールは大都会の空を見上げながらそう呟いた。

 

数日後の朝
カストールたちの姉妹の泊まる宿に、一人の女性が訪れていた。
「久しいわね、カストール、ポルクス。食事中に邪魔するわよ」
女は、姉妹が座っているテーブルに勝手に相席し、ニコリともせずにそう告げた。
「ふぇっ?ふぁなたふぁ?(えっあなたは?」
口の中に大きなを詰め込んていたポルクスは、なにやらごもごも言いながら女を見返す。そんな彼女に目の前の女性も呆れ顔だ。
「やれやれ。相変わらずのお子様のよね」
こめかみのあたりをおさえながら、小さく首を横に振る女性。よく手入れされた長髪が彼女の首の動きとともにさらさらと流れる。
 その容姿だけを見れば間違いなく美人と言って差し支えないのだが、鋭い眼光や神経質そうに歪められていた口元を見ると、なんとなく「怖いお姉さん」という印象も受ける。
 そして、やはりというか当然というか、その女性の正体を先に思い出したのは、姉のカストールのほうであった。
「あっ!もしかして、あなたは・・・イーダス姉様?」
「あら、覚えていてくれたみらいね。前に会った時はあなたたちはもっと小さかったのだけど」
 イーダスと呼ばれた女性は、厳しい表情を少しだけ緩めてカストールに向き直る。
「あれ、イーダスさんっていうと、たしか・・・・」

 

ストーリー「ふたご座の姉妹」その4につづく

 

 

 

ストーリー「ふたご座の姉妹」その3


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